農業チューブ
The Jackson Brothers豪州

2週間で収穫10時間、長雨の豪州で麦を運び出す難しさ

豪州の農家チャンネル「The Jackson Brothers」が、長雨のなかで進む冬作物の収穫を記録しました。刈り始めから約15日で実際に刈れたのは10時間ほどです。ぬかるんだ圃場から穀物をどう運び出すかが、この回の中心となる課題でした。

The Jackson Brothers / 公開 2026/11/04 / 29分 / YouTube で見る

長雨で止まった収穫

撮影日は10月27日です。収穫を始めて約15日が経ちましたが、実際に刈り取れたのは10時間ほどだと話します。この2週間の雨量は120〜150ミリ程度とみています。地面は「とても湿っている」状態で、穀物の水分も14%前後と見込まれていました。

大麦は倒伏していますが、地面に貼り付くほどではありません。メインの農場では30分で約30ミリの豪雨があり、等高線沿いの土手が機能しても表土が流れたといいます。この圃場は豪雨を免れたため、大麦の倒伏がこれ以上進まずに済んだと振り返ります。

試し刈りのサンプルは水分14%をわずかに超え、出荷にはまだ高い結果でした。地元の受入施設は午後3時に閉まるため、検査が間に合ったかも分からないと話します。週末にも雨の予報があり、乾いたら一気に刈り進める構えです。

運び出しで詰まる

刈り取り自体はコンバインが問題なくこなしました。滞ったのは圃場から穀物を出す工程です。トレーラー3連の大型トラックは未舗装路を通れないと判断し、自社のWestern Starのトラックで農場内のサイロへ運ぶ計画に切り替えました。

ところがチェイサービン(コンバインから穀物を受け取る伴走用の運搬車)がぬかるみにはまります。積載はまだ20トンほどでしたが、重くなるほど沈むと説明しています。近所の農家から借りたFendtのトラクターで中身を抜き、刈り跡の上を通って脱出しました。

圃場脇の一時貯留用の大型ビン(マザービン)も、ローダーで砂利敷きの場所へ移しました。運搬車が近寄るたびに圃場を荒らすのを避けるためです。乾ききらないまま長く濡れたことで、一部の穀粒は発芽していたといいます。この日は作業を止め、段取りを練り直すことにしました。

小麦への切り替え

翌日の午後は日が差し、作業を大麦から小麦に切り替えました。穀粒の水分は大麦と大差ありませんでした。ただし小麦の圃場は前年がキャノーラで、地表の残渣が少なく水分を抱え込んでいなかったと説明します。条件が際どいなか、地面の固い圃場を選んだ判断です。

夕方には手持ちの水分計で11%まで下がり、風も乾燥を助けました。コンバインは4台に増え、夜は照明塔の明かりで搬出を続けました。夜が更けると麦わらが「ロープのように」粘り、脱穀の負荷が増したため、午後10時ごろに切り上げています。

受入施設と品質の事情

翌朝のトラック到着に備え、夜のうちにマザービンとチェイサービンを満たしておく方針です。トレーラー3連の車は約70トン、2連のロードトレインは約55トンを運べると説明します。容量100トンのマザービンは半分ほど埋まっていました。受入施設は繁忙期なら深夜まで開くこともありますが、今季は早く閉まるため、開いている間に出せるだけ出す必要があると話します。

品質面では、発芽が始まった粒によるフォーリングナンバー(穂発芽の程度を示す指標)の問題を挙げます。でんぷんが糖に変わって粒が軽くなり、製粉向けに適さず「支払いが減る」との説明です。ただ今年は飼料用に格下げされても減額が大きくなく、飼料の需要もあるそうです。

本記事は掲載時点の情報です。発言の引用は日本語に訳しています。