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Farmers Weekly英国

輸入肥料の炭素税は想定より低く、英国初のオリーブ商業収穫も

英国の農業誌Farmers Weeklyのポッドキャスト「Fertiliser carbon tax, 25 years of responsible spraying, & Britain’s first olive harvest」では、司会陣とゲストが3つの話題を語りました。中心となるのは、輸入肥料に課される炭素税が農家の負担をどう変えるかという問題です。

Farmers Weekly / 公開 2026/10/31 / 41分 / YouTube で見る

輸入肥料の炭素課税

英国では炭素国境調整措置(CBAM)が2027年1月に導入されます。ネットゼロ政策の一環で、輸入品の排出量に応じて課税する仕組みです。歳入関税庁(HMRC)は輸入肥料について、二酸化炭素換算1トンあたり1.45ポンドという暫定税率を示しました。最終的な確定は年末を待つ段階です。

肥料供給業者の業界団体AIC(Agricultural Industries Confederation)の担当者は、税率が予想を大きく下回ったことを認めます。ただしあくまで「例示」の数字だと念を押しました。輸入業者は製品ごとの排出量の既定値と暫定税率を得たため、負担額を試算できるようになりました。製品によっては1トンあたり5ポンド未満の見込みだといいます。

価格への転嫁は輸入業者の商業判断であり、炭素価格の救済措置や炭素市場の動きにも左右されます。担当者は今後の推測を避け、農家には「仕入れ先と話し、価格が変動する理由を理解してほしい」と助言しました。

代替のない資材への課税

副編集長のAbby Kaye氏は、硝安価格がこの1年で約3分の1上がったなかでの追加負担だと指摘します。初年度が低いのは排出枠の手当てによるもので、その後は段階的に上がるため「一時的な猶予にすぎない」とみています。政府が高めの数字を事前に流していた可能性にも触れました。

農家のHugh Broome氏が問題にするのは代替手段の欠如です。電気自動車という選択肢がある乗用車と違い、慣行栽培には硝安に代わる製品がないと語ります。炭素税を払わずに生産された輸入農産物をどう扱うのかも問いかけました。英国の施肥量は1980年代初めより4〜6割減っており、税収を移行支援に限って使うなら「まだ受け入れられる」と述べています。

農薬自主管理の25年

Voluntary Initiative(VI)は2001年に始まった農薬適正使用の自主的な取り組みです。流出による汚染を減らし、当時検討された農薬税を回避する狙いがありました。議会での25周年の祝賀会で、会長でスコットランドの農家のDavid Bell氏は散布機メーカーや作業受託者、流通、農薬メーカーの団体が協力する点を強調します。使える有効成分が減るなか、イタリアンライグラスでグリホサート抵抗性が出始めており、規定量を散布しないことが一因だと説明しました。

Hugh氏は1990年以降に農薬の使用重量が6割減ったと紹介しつつ、製剤の効率化による面もあると留保を付けます。今後は水質への関心が高まり、ドローンやAIによる狙った散布が鍵になるとの見方です。一方で、農場認証がなければほぼすべての畑作物を販売できず、実態として任意とは言い切れないとも指摘しました。

英国初のオリーブ収穫

リンカンシャー州スポルディング近郊のDavid Hoyles氏は、英国初とされるオリーブの商業収穫を始めました。乾燥には貯水池で対応できても、暑さには打つ手がなかったことが出発点だと語ります。ブドウは土壌に合わず、2019年にイタリアで似た土地のオリーブ園を見たことがきっかけでした。投資額は100万ポンドに上ります。

2024年春に1年生の苗木1万8,000本を植えましたが、2026年1月の寒さで約1,000本が枯れたように見えました。そのうち3分の2ほどは再生しているといいます。今年は1本に300〜500個が実り、同じ購買グループAnglia Farmersの農家から自走式のカシス収穫機を借りて収穫しました。Hoyles氏は栽培より搾油が難しく、「世代を超えて受け継がれる技術」だと語ります。

番組ではHugh氏が、ギリシャでは灌漑のない農家の収量が急減しているという知人の話を紹介し、北の産地に機会が生まれうると述べました。Abby氏は近隣農家が瓶詰め設備を共有するような協力に期待を示しています。

本記事は掲載時点の情報です。発言の引用は日本語に訳しています。