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米価がコスト指標割れ、農水相は「最低価格ではない」と説明

農林水産省のYouTubeチャンネルが公開した「武部農林水産大臣記者会見(令和8年11月2日)」で、武部大臣が記者の質問に答えました。民間在庫の積み上がりと米価の下落が続くなか、大臣はコスト指標の位置づけを説明し、需要に応じた生産と多様な用途の需要開拓を進める考えを繰り返しました。あわせて春肥料の値上げへの対応にも触れています。

農林水産省 / 公開 2026/11/02 / 9分 / YouTube で見る

膨らむ民間在庫

記者は10月30日の食料部会で示された見通しを取り上げました。再来年6月末の民間在庫量は最大257万トンとされ、適正水準とされる180万から200万トンを上回ります。大臣は令和10年6月末の民間在庫量を233万から267万トンと見通していると説明しました。

買戻し条件付きで売り渡した備蓄米31万トンのうち、残り10万トンを追加で買い戻せば223万から257万トンになるといいます。長雨などの影響は見極める必要があるとしつつ、大臣は「供給量は十分に確保されている環境にある」と受け止めを語りました。今後は主食用だけでなく加工用や米粉用、輸出用の需要開拓を進め、需要に応じた生産を徹底する方針です。

コスト指標の位置づけ

日本農業新聞の記者は、10月19日から25日の週のスーパーでの平均価格が、生産から販売までの費用を積み上げたコスト指標を割り込んだ点を質問しました。大臣はPOSデータで平均価格が前週より33円下がり、11週連続の低下になったと説明しています。

そのうえで大臣は5キロあたり2816円のコスト指標を下回った事実を認めました。ただし指標は「取引条件の協議にあたり参照すべき指標」であり、国が認めた最低取引価格ではないと述べています。米価は民間取引で決まるとしながら、生産者の再生産と再投資が可能で消費者の理解も得られる水準に落ち着くことが重要だと語りました。コスト指標を活用し、費用を考慮した価格形成を進める考えです。

生産量693万トンと肥料

令和9年産の主食用米の生産量見通しは693万トンです。委員や産地からは需給の緩和が続くとの懸念が出ています。大臣は二度と供給不足を招かないよう余裕を持たせることを基本とし、民間在庫が過去最高水準にあることも踏まえたと説明しました。需要は直近5年平均の1人当たり消費量などで見込み、用途別の需給見通しもあわせて示したといいます。

TBSテレビの記者はJA全農の春肥料価格を取り上げました。大臣は基準銘柄の高度化成肥料が前期比15.3%、前年比21.1%の値上げになったと承知していると答えています。生産者だけに負担を強いないよう消費者の理解を醸成し、適正な価格転嫁を進めることが重要だとしました。産地では家畜ふんや下水汚泥など国内資源を使った肥料への転換や適正施肥による使用量の低減を進める考えです。追加支援については現場の実情を見極めて検討すると述べました。

本記事は掲載時点の情報です。発言の引用は日本語に訳しています。