選挙と黒海和平の不透明感、米穀物と畜産の先物が軒並み安値
Farm Journal の市況番組「Markets Now Closes 11/3 Ag Markets See Bloodbath as Funds Sell on Election Uncertainty & Peace Talks」で、Water Street Solutions の Darren 氏が11月3日の相場を解説しました。中心の話題は、選挙と和平協議への不安からファンドが売り、穀物と畜産の先物が軒並み下げたことです。
下落を招いた要因
11月3日火曜日の米国市場では、穀物と家畜の先物がそろって大きく下げました。トウモロコシ、大豆、大豆ミール、カンザスシティ小麦は今回の下げ局面の安値を更新しています。司会者は投機筋の売りが中心だったとし、その引き金を尋ねました。Darren 氏は中間選挙と二つの戦争を挙げ、不透明感の強さを指摘します。
下げ自体は以前から続いており、発端は在庫報告と10月の WASDE(米農務省の需給予測)だといいます。そこに黒海の穀物輸送路が再開するかという話が重なりました。港に滞留した穀物が出回れば弱材料になるためです。ロシアの小麦輸出は直近で300万トン強にとどまり、冬は港の凍結でさらに細るとみています。
ファンドの持ち高
大豆の1月限は200日移動平均線にあたる1ブッシェル12ドル前後で踏みとどまりました。ただファンドは大豆と大豆ミールで買い越しを多く残しています。Darren 氏はこの線を割れば手じまい売りが出ると認めます。一方でブラジル北部はやや乾燥して気温も高く、その作柄を見極めるまで買い持ちは続くとの考えも示しました。
トウモロコシではファンドが9月に43万枚超あった買い越しの大半を解消しました。Darren 氏は季節的に上向く時期に4.40ドルで売り越すとは考えにくいと話します。小麦はシカゴを中心にすでに売り越しです。ファンドは「大豆は買い、小麦は売り」のまま南米を見守るだろうとみています。
安値が呼んだ需要
4.50ドルを割ってから強い需要が表面化しました。前日にメキシコが6900万ブッシェルのトウモロコシを成約し、当日も約1750万ブッシェルの大口成約が公表されました。Darren 氏はうち2300万ブッシェルが来年の船積みである点に注目します。来年分まで今の価格で買うのは「今後18〜20カ月は割安だ」と見ているからだと説明しています。
輸出成約は前年より34%遅れていますが、主因はメキシコの買いが止まっていたことです。Darren 氏は後半に追い上げた年もあるとして、遅れを深刻には見ていません。鍵はウクライナ産の出回りとブラジルのサフリーニャ(二期作トウモロコシ)の出来です。ブラジルではエタノール向け消費が増え、輸出余力が減ることも米国に追い風だと語ります。
為替も話題になりました。ブラジルでは選挙結果が予想と異なり、通貨レアルが下落して同国産大豆が輸出で有利になりました。米国産大豆が下げたのはこれに対抗するためだといいます。中国が米国産小麦を買うかも人民元とドルの関係次第で、ドル高が進めば輸出に響くと述べています。
弱含む牛と豚
生牛先物は6日ほど続落しています。Darren 氏は現物が先物ほど上がらなかったことと、チャートの崩れが重なったと分析します。強気の肥育牛頭数報告の直後に売られ、「うわさで買って事実で売る」展開になりました。豚肉や鶏肉を含めて需要が弱く、消費者がスタグフレーションに苦しんでいる可能性にも触れ、戻りは売りだとみています。
豚は限月の安値更新が続き、新型コロナ禍の安値に近づいています。パッカーと垂直統合せず、ヘッジもしていない生産者は大きな損失を出しているとのことです。12月限は57ドル付近で反発し、3〜4ドル戻した後に再び下げるとの見通しです。ファンドは過去最大の売り越しで、トレンドに乗って積み増す傾向があると指摘しました。
本記事は掲載時点の情報です。発言の引用は日本語に訳しています。